日本人の3人から4人に一人は頭痛持ちだといわれていますが、頭痛も立派な病気であると認識している人は少ないのではないでしょうか?そのため、「頭痛くらいで病院にかかる必要はない」とか、「単なる頭痛だから大丈夫」と軽視したり、市販の頭痛薬だけで済ませたりしている人もたくさんいます。

頭痛で一番多いのは片頭痛ですが、片頭痛は程度が強く頻度が多いと仕事や日常生活に支障をきたしますし、放置して脳梗塞や認知症の原因になってしまうこともあります。

頭痛は脳神経内科を受診する患者さんのもっとも多い症状のひとつです。私も脳神経内科専門医として、これまでに多くの頭痛患者さんを診療してきましたが、中には脳血管の異常や脳腫瘍が見つかる患者さんも少なからずいます。特に初めて起こった急性の頭痛は危険なサインです。慢性の頭痛としては、片頭痛とともに緊張型頭痛(筋収縮性頭痛)が多くを占めていますが、そのほかにもさまざまなタイプの頭痛があり、それぞれ治療法や予防法が異なります。特に片頭痛には特効薬があり、最近新しい予防薬も登場しています。頭痛がひどくて悩まれている方や、頭痛の原因を心配されている方はぜひ受診してください。

頭痛外来担当医 内山真一郎